分散知能を支えるネットワーク

データプライバシ要件や計算機の資源制約によって,連合学習や分割学習といった分散知能が注目を集めています. 分散知能において,学習・推論コンテキストに応じた効率的な通信パスの設計が不可欠です. 一方で,サービスチェイニング(Service Function Chaining: SFC) では,トラヒックが事前に定義されたサービス機能の列からなるサービスパスを通過することで,任意のネットワークサービスを実現できます. 本研究課題では,分割された部分モデルをサービス機能としてみなすことで,サービスパスの通過によるグローバルモデルの実行を可能とする,マルチホップ分割推論(Multi-hop Split Inference: MSI) のためのSFC アーキテクチャを創出します.提案アーキテクチャでは,部分モデルを実行するNeural Service Function (NSF) を透過的TCP プロキシとして実現し,SRv6 とeBPF に基づくSFC プロキシと統合することで,既存アプリケーションとの互換性を維持しながら,動的かつ効率的な通信経路上での推論を実現します.