ネットワーク内AI

本テーマ,「ネットワーク内AI」では,AI,ネットワーキング,プログラミングを相互連携することで,地理的に分散している計算ノード群が協調してAIモデルを実行する計算融合通信アーキテクチャを創出を目指しています. 従来のAIモデルは計算ノードが高密度に集中したクラウド型で処理される一方で,ネットワーク内AIでは,AIモデルをサブモデルに分割し,計算遅延と通信遅延が両立できるように,それらを複数の計算ノード上に展開します. 入力データが与えられると,ネットワーク内AIは,計算ノードが学習・推論を実行し,途中の計算結果を次の計算ノードに転送します.これを宛先ノードまで繰り返すことで,複数の計算ノードによるAIモデルの学習と推論を実現します. 従来型と比較して,ネットワーク内AIは,低レイテンシと低通信量を達成し,高いデータプライバシを確保できるため,スマートファクトリ,IoT活用,自律走行車のセンサ情報のリアルタイム処理による走行支援などの応用が考えられます. ネットワーク内AIを創出するために必要な基礎研究を数理的なアプローチだけでなく,実装を含めた実践的なアプローチも駆使して研究を遂行しています.

原 崇徳
原 崇徳
准教授