トポロジに着目したネットワークの最適制御

ネットワーク機能仮想化(NFV)はネットワーク機能を従来の専用機器から分離し,仮想ネットワーク機能(VNF)として汎用機器上で実行することで,拡張性と柔軟性を備えたネットワークサービスを提供できます. NFVにおける資源割当問題の一つであるVNF配置・サービスチェイニング・ネットワークスライシングは資源制約の下で計算資源,ネットワーク帯域,必要な仮想ネットワーク機能の構成などのサービス要件が伴うサービス要求を満たすように,資源を配置することを目的としています. サービス要求の需要動向は時空間的な変化を伴うため,物理・仮想ネットワークのトポロジ特性を考慮することで,これらに対して適応可能なネットワークの最適制御手法の確立を目指します. また,安定かつ高品質なネットワークサービスを維持するためには,ネットワークの障害に対して適切に対応しなければなりません. NFVネットワークは物理ネットワークと仮想ネットワークからなり,ユーザのサービス要求に伴い仮想ネットワークのトポロジ構成が逐次変化することが想定されるため,両者の接続性と特性を考慮したサービスの展開と運用が必要となります. 例えば,ある物理ノードに障害が発生した場合,そのノード上で動作するネットワーク機能も停止します. 本研究では,VNFの多様性と冗長性を備えた高可用性・高効率な資源割当の実現を目指すとともに,ネットワーク特性とサービス需要動向に適用可能なサービスチェイニング・スライスモビリティの実現を数理最適化や機械学習手法を利用して目指します.

原 崇徳
原 崇徳
准教授