ブロックチェーンシステムのネットワークセキュリティ

暗号通貨システムBitcoinでは,マイナーが報酬を獲得するためには,Proof of work (PoW)と呼ばれる,高難度のパズル的計算によるブロックの生成と,そのブロックを迅速にネットワーク内に拡散する必要があります.近年,正規の拡散プロトコルを悪用することで,競争的拡散を妨害するリスクが指摘されています.本研究では,拡散妨害リスクを感染症伝播モデルに着想を得たstandby-interrupted-retrieved-attackable (SIRA)モデルをとして新たにモデル化するとともに,攻撃の学習による早期検知・回避手法を検討しています.また,効率的な報酬獲得に向けて,Bitcoinでは,複数のマイナーがプールと呼ばれるグループを形成し,PoWを分業しています.その際,各メンバーは,通常のブロックに加えて,自身の貢献を表すshareをプール管理者に報告します.管理者は貢献度に応じて各メンバーに報酬を分配しますが,ここで,攻撃者はブロックを秘匿し,shareのみを管理者に報告することで不当に報酬を得ることができます.本研究では,このようなBlock withholding攻撃に対し,Support Vector Machineなどの機械学習を用いた早期検知に取り組んでいます.

笹部 昌弘
笹部 昌弘
准教授